大学選び・合格 親子スタイル

親と子二人三脚で考える大学受験

2017年無利子奨学金制度の変更点 所得水準に応じて返還額が決定へ

SPONSORED LINK

f:id:oraise:20160423154532p:plain

 

 

奨学金の不払いが社会問題化しています。奨学金を利用して大学で勉強したものの、不本意ながら卒業後に、良い仕事に恵まれなかった人もいます。

 

景気の浮き沈みで不景気の時代に卒業をむかえた学生は、就職もかなり苦労しますからね。若者の貧困という問題もかなり深刻です。

 

そんな世の中ですが、大学の学費は年々上昇し、親の収入も下がっているような世の中ですから、庶民が子供を大学へ行かせるのは金銭的にはかなり厳しいような状況です。

 

以前こんなニュースもありましたね。国立大学の授業料が今より、40万円増と今の倍近くになるという文科省の試算です。国立まで大幅な値上げとなると、庶民はどうしたらいいのでしょうか?

 

resemom.jp

 

最近は、給料は上がらないのに、物価は上がるような状況でますます生活は苦しくなっている人も多いでしょう。今回は、“大学とお金”について、2017年度の奨学金制度の変更点についていろいろ調べてみました。

 

SPONSORED LINK

 

2017年奨学金制度の変更点のポイント

 

2017年度の変更が予定されているのは、奨学金の無利子貸与分、つまり第一種です。多くの人がお世話になる「日本学生支援機構」の貸与型の奨学金は、無利子の第一種と有利子の第二種があります。

 

第一種の奨学金は、新入生の場合、高校の2~3年の成績が3.5以上などの条件がつきます。また多くの人が第一種を希望するために狭き門となっています。

 

2017年度に導入予定の変更点のポイントは、「返済の仕方」です。

 

resemom.jp

 

現行の奨学金制度では、借入額に応じて返済月額が確定します。返済期間にもよりますが借入額が多いほど、返済月額が多くなります。

 

「借りた金は返さないといけない」というのは、道徳上もっともなのですが、多くの学生は将来の稼ぎを見込んで、奨学金の返済を考えます。これは、奨学金に限ったことではなく、ビジネスマンが住宅ローンを利用してマイホームを買う場合も同じです。

 

もっと高額な給料をもらえるような仕事につける人生を想像していたのが、現実は厳しい場合があります。自宅外通学でしかも、私立の理系などで全額奨学金に頼った場合は、借入額は相当な額に膨れ上がります。

 

高級車や場合によっては、中古マンションを買えるほどの借金をいきなり抱える大学生もいて、奨学金不払いや女子学生が学費を払うために、風俗で働くような社会問題もでてきています。

 

そんな状況に対応するために、今回の変更が考えられ借入額ではなく、

 

収入に応じて返済月額が確定

 

つまり、収入が多ければ返済月額多くなり、収入が少なければ返済額が少なくなるので、たとえ卒業後に低所得だったとしても、奨学金の返済の負担は軽くなるようになっています。

 

ただし、たとえ収入がゼロであっても、二~三千円程度の最低額の返済は原則しなければなりません。

 

これで一応、「若者の貧困」に対応できそうですが、第二種の有利子奨学金については、現在のところ変更があるかどうかは明らかにされていません。

 

より多くの人が利用し、しかも有利子で負担も大きくなる第二種奨学金も変更しなければ意味がないような気もしますが、今後の動向が気になります。

 

 

所得連動返還型無利子奨学金について

 

現在の奨学金制度でも、所得に連動して返還する制度はあります。「所得連動返還型無利子奨学金」です。

 

この制度は、申請により収入が一定以上になるまで奨学金の返還が猶予されるというシステムです。ただし返還が猶予されるためには、以下のような収入要件を満たしたうえ、申請をし承認をうけなければなりません。

 

会社員等 給与所得300万円以下
自営業等 収入から必要経費(控除分)を差し引いた金額が200万円以下 

 

会社員では、年収で300万円以下ということ。この所得連動返還型無利子奨学金も2017年以降も残ります。つまり、収入が少ないような人は、奨学金の猶予もしてもらえる可能性があります。

 

こういうイメージになります。

 

 

f:id:oraise:20160423154533p:plain

 

出典 学生への経済的支援の在り方に関する検討会(第2回) 配付資料:文部科学省

 

 

 

そもそも給付型の奨学金を増やすべき

 

日本の奨学金は、「給付型」つまり返す必要のない奨学金ではなく、「貸与型」つまり返還する必要がある奨学金が主流です。学校独自に給付型の奨学制度がありますが、かなり狭い門となっています。

 

これは諸外国では珍しく、多くの国では給付型の奨学金がもっと充実しています。お金の心配なく、勉強に励んでもらうということです。

 

給付型の奨学金を創設すべきという意見は多く、今後その動向が気になります。

 

www.sankei.com

 

ただ、実現にはまだまだ時間が掛かりそうで、来年大学受験なんて人には、たとえば給付型の奨学金制度が導入されたとしても、その恩恵が受けられないかもしれません。国民的な議論で、給付型の奨学金制度の早期の実現が待たれますね。